【文章のデザイン】読みやすく魅力的な文章に導く5つのキホン

文章の書き方

文章は内容も大事ですが、見た目も大事。読みやすい文章や魅力的な文章は「デザイン」も優れています。

漢字・ひらがな・カタカナ……。文字の選び方ひとつで、 文章の雰囲気がガラッと変わります。改行の仕方、太字や下線の使い方ひとつで、 読みやすくも読みにくくもなります。文章のデザイン・見た目を決める基本の要素と、読みやすく魅力的な文章をデザインするコツを学んでいきましょう。

1.イメージに合った文字を選ぶ

文字の種類(漢字・ひらがな・カタカナ)や書体(明朝体・ゴシック体など)は文章の印象を決める大きな要素です。それぞれの長所・短所やイメージの違いを知って上手に使い分けることによって、相手に与える印象をコントロールできます。よく使う文字や書体の特徴を整理してみましょう。

文字の種類

「キリッとした印象にしたいときは漢字を使い、やわらかい雰囲気にしたいときはひらがなを使う」というように、文字を意識的に使い分けて文章全体のイメージをつくっていきます。目的に応じて文字を選んでみましょう。ただし、読みやすくわかりやすい文章にしたいときはひらがなを多めに使うのが鉄則です。ひらがな主体で漢字やカタカナをアクセントに使うくらいの気持ちで書き進めてください。

漢字

一文字ごとに意味をあらわす。真面目でかっちりとした印象や古風な印象あたえる。同音異義語が多いことばなど、漢字で伝えたほうがわかりやすいものは基本的に漢字で書く

ひらがな

簡単で読みやすく、やわらかい印象をあたえてくれる。文字による伝わりやすさに差がない単語や、漢字本来の意味が薄い単語(補助用言など)は 、原則ひらがなで書く

カタカナ

現代的な印象をあたえる 。目立ちやすく、文章やフレーズのアクセントになる。強調したい単語や特別な意味をもたせたい単語、外来語に使用することが多い。多用に注意する。

【漢字・ひらがな・カタカナ】イメージの違い
【漢字・ひらがな・カタカナ】ポジティブイメージ・ネガティブイメージ

書体の種類

書体選びも文章のデザインには欠かせません。読みやすいかどうか、イメージに合っているかを踏まえて選びましょう。下記では代表的なフォントである「明朝体」と「ゴシック体」の特徴を整理しました。

明朝体

線の幅に強弱があり「はね」や「はらい」がある書体。 太いと厳格な印象、細いと上品でモダンな印象になる。

ゴシック体

線の幅がほぼ均一な書体。視認性が高く読みやすい。 太いと力強い印象、細いと明るく軽やかな印象になる。

【明朝体・ゴシック体】書体によるイメージの違い
【明朝体・ゴシック体】ポジティブイメージ・ネガティブイメージ

なお、書体を選ぶときには、かっこいいから、かわいいからという理由で余計な装飾をほどこしたり、むやみにたくさんのフォントを使用したりしないように気をつけてください。逆に読みづらくなりますし、ダサい印象になってしまうことがあります。

2.文字の大きさ・太さでアクセントをつける

太く大きな文字は力強く元気なイメージ、細く小さな文字は上品で繊細なイメージをあたえます。大きさや太さの差を大きくするとメリハリのある大胆な印象に、差を小さくすると安定感のある印象になります。

文字の太さ・大きさによるイメージの違い

文字の大きさや太さで強弱をつけるときには、中途半端な強弱では違いがわからず逆に読みづらくなります。最低限、差をつけているとはっきりわかるくらいには差をつけてください。また大きさ・太さによる強調は、ここぞという場面でこそ役に立ちます。むやみに強調すると大切な部分がどこなのか逆にわからなくなるため、頻度に気をつけましょう

3.字間・行間は詰めすぎず、広げすぎず

字間

字間が詰まりすぎていると窮屈で読みづらくなり、逆に空きすぎるとまとまりがなく次の文字を見失いやすくなります。基本は「0」に設定し、必要に応じて詰めたり広げたりしましょう。

字間による読みやすさの違い

※字間調整をおこなう例
空きが広い文字だけ詰める/次の行にはみだした一文字を同じ行 に入れるために詰める/ゆったりとした雰囲気の文章にするために空ける

行間

行間が狭いとコンパクトでまとまりのある印象に 、広いとゆったりとした印象になります。極端に狭くしたり広くしたりすると可読性が下がるため注意しましょう。

文字サイズの50%〜75%(行送り設定 では文字サイズの1.5倍〜2倍)を目安に設定するのが一般的ですが、自分の目でたしかめて読みやすい見た目になるように調整してください。

行間の大きさによる読みやすさの違い

4.一行の長さは15〜35字を目安に

一行の長さは短すぎても長すぎても読みづらいものです。 15字〜35字程度を目安に、目的に応じて文字数を設定しましょう。 テンポよく読ませたいときは短めに、じっくり読ませたいときは長めに設定するのがポイントです。

一行の長さによる読みやすさの違い

5.適度に改行し、段落に分ける

改行や段落分けをせずにだらだらと文章を続けるのは控えましょう。文字がぎゅっと詰まってみえて読みはじめのハードルが高いうえに、内容のまとまりがわかりづらく、内容を理解しづらい文章になります。

できれば3〜4行、多くても5〜6行以内を目安に改行しましょう。とりわけWebの文章では、改行すると同時に空行を挿入するのが一般的です。

なお、エッセイなど形式が自由な文章では、下記の左側の文章のように改行と空行を使ってセリフや思いを強調することもできます。

段落分けによる読みやすさの違い

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