【何を書くか】どんな生活も人生も、ブログや日記、ノートに書くネタになる

文章の書き方

ブログやSNSで発信をしてみたいけれど、そもそも何をテーマに文章を書けばいいのかわからない。日記やノートを有効に使いたいけれど、とにかく書くことがみつからない。

そんなときには、あまり気負わずに人生や日々の生活、友達との会話を振り返ることから始めてみてください

いわゆる「高尚な趣味」やプロ級の特技がなければならないわけではありません。出会った人、読んだ本、勉強した内容、心に残った言葉、何かに困って調べてみたらわかったこと、印象に残った出来事、ふとした喜び、気になったこと、違和感を覚えたこと。どんなことでもテーマになり得ます。

自分の好きなモノ・コトを考える

「好きなもの」「好きなこと」というと、読書・音楽・映画・スポーツ・旅行といった王道の趣味を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、もっと細かい「好き」でもテーマとしては十分です。むしろニッチなものだと個性を発揮できるのでおすすめです。好きな食べ物でも場所でも、惹かれるものについて考えてみましょう。読書や音楽をテーマにする場合でも、分野をしぼったり特定の著者やアーティスト、曲について独自の視点で研究したりと、オリジナリティーがあると面白くなりそうです。

これにだったらお金を払える、時間を使えると思えるものは何でしょうか。ついつい見てしまうもの、してしまうことは何でしょうか。苦に思うことなく調べ続けられるものは何でしょうか。毎日の生活を振り返ってみてください。

好きなこと・興味の例文章テーマ例
とにかく家にこもるのが好き・休日に家にこもることのメリット
・一度も外に出ずに一日を充実させる方法
・家で快適にダラダラするためにおすすめのグッズ
坂が好き・全国各地の坂の特徴や魅力
・美しい坂を見に行くおでかけプラン
ほうじ茶が好き・ほうじ茶飲み比べ
・イチオシのほうじ茶についてひたすら語る
・ほうじ茶を使った創作料理
文房具を集めるのが好き・各メーカーの文房具の特徴や魅力の比較
・イチオシの文房具についてひたすら語る
・かわいい文房具が手に入る店

自分の強みを考える

自分にどんな強みがあるかを考えてみることも、文章のテーマをみつけるための大切な鍵になります。機械やWebの知識が豊富、楽器を演奏できる、健康である、初対面の人から話しやすいといわれることが多いなど、自分の強みといえそうなことがないか探してみましょう。

これといった強みも特技もないと感じている方は、これまでの人生を振り返ることから始めてみてください。経験そのものが大きな強みになることがあります。たとえば転職経験がある方は、これから転職したい人に向けてノウハウの提供やアドバイスができるかもしれません。仕事の都合で転居を繰り返している方は、荷造りや業者の選定のコツ、引っ越し全体の流れについて引っ越し初心者よりも詳しいことが想像できます。子育て経験があるなら、他のママ・パパにとって役立つ知識や体験談を文章にできそうですね。

さらにいえば前述した「好き」も強みのひとつです。興味をそそられる対象があるだけでも立派な強みになります。「好き」を極めてみてはいかがでしょうか。

小さな「感動」や「発見」を書き留める

文章を生み出すのは自分自身です。自分の心の動きに敏感になることが書きたいテーマをみつける第一歩になります。たとえ小さなことでも、心が動いたことや「おっ」と驚いたことがあれば書き留めておきましょう。記録先は携帯電話のメモ帳や日記アプリで十分です。気になった記事のURLや本の引用文をメモしておき、あとから振り返れるようにしておくだけでも自分の心の琴線が触れる対象を知る手がかりになります。

変わり映えのない毎日で、文章のネタになるような感動も発見もないと感じている方もいるかもしれません。そんな方は肩の力を抜くことから始めてみてください。文章のテーマは必ずしも大きな感動や発見である必要はないからです。お笑い芸人のコントの中で笑ったセリフでも、電車で向かい側に座ったカップルの行動でもかまいません。予想以上に美味しかった新発売のコンビニ弁当、仕事で使ってみて便利さに驚いたツール、なぜかずっと耳から離れない歌詞、いいなあと思った広告の文句。少しでも心が動いた対象を記録しておくと、文章のテーマになりうるのはもちろんのこと、毎日がさらに楽しくなります。

小さな「困惑」や「違和感」も書き留める

困惑や違和感があるときも、発信できる何か、発信したいと思える何かを得るチャンスです。その困惑や違和感の原因は何なのか分析したり、原因を拭い去るための方法を考えたりしてみてはいかがでしょうか。街で目撃したこと、ニュースを見て考えたこと、勤務先の組織に関すること、家族との関係性など何でもかまいません。見て見ぬ振りをできないことや、なんとなくでも気になっていることについて記録しておきます。

もちろん、思い出すだけでも嫌になるようなことをわざわざ言葉にして自分を追い込む必要はありません。あくまで文章は頭を整理し心を落ち着かせる術として、だれかに想いや考え、情報を伝えるツールとして、あるいは自分自身が前に進むための動力として活用することをおすすめします。

困惑や違和感を感情に任せて発信したくなることはあっても、冷静に分析することはあまりないという方も少なくありません。小さなことだからまあいいかと忘れる、どうにもならないことだと心のなかに押しとどめるといった対処をしている方もいます。感じ取ったこと・考えたことを上手に生かしたいなら、もやもやした気持ちを最初はメモとして残しておいて、少し時間をおいてから文章にまとめてみてください。心がスッキリしますし、だれかの役に立つこともあります。

人との会話のなかで気になったことを書き留める

ひとりで考えていてもなかなかテーマが思い浮かばないときもあります。友人や家族、仕事仲間との会話にも目を向けてみましょう。会話中にたまたま話題になった内容や友人の経験談が思いをめぐらせるきっかけになるかもしれません。相手の身の上話でも世間話でも、心にひっかかるものがあればメモしておきましょう。

その場でスマートフォンを取り出してメモするのは失礼な場合もありますから、時間をおいて心に残っていることを書き留めるだけで十分です。時間が経ってからも気になるのは本当に心を動かされている証拠なので、自分の気持ちが向かっている方向がよりはっきりわかります。

さらに、自分のことを話したときの相手の反応も覚えておくと役に立つときがあります。なんとも思っていなかったことがほかの人からは面白くみえるケースがあるからです。

たとえばわたしは、国家公務員からライター・編集者に転職して以降は知り合いから話を聞かせてほしいといわれることが増え、話していくなかで自分の経験そのものや経験にもとづくアドバイスに需要があることがわかりました。少し方向性は変わりますが、自分が没頭しているアニメについて話したときに友人たちが大爆笑してくれたことで、これはいずれ文章にできるかも、と思って書き留めたテーマもあります。

新たな出会いを生み出しインスピレーションを得る意味でも、自分の好きなことや強みを知るという意味でも、人との会話は欠かせません。文章のテーマを見つけようと意気込んで人と話すというよりは、「何かしらの気づきを得られたら儲けもの」くらいの気持ちで会話を楽しむことに集中しましょう。楽しく有意義な時間を過ごしてこそ、のちのち生きてくる何かを獲得できます。

本屋に行ってみる

本屋は自分の心の動きや世間のトレンドを知るためにおすすめのスポットです。いまどんなことを知りたいと思っているのか、どんな悩みがあるのか、心の中を占めているものは何なのか。世の中の人がどんなことに興味・関心を持っているのか。本屋のいろいろなコーナーをまわって本を手に取るうちに、なんとなくわかってくるからです。

わたしはよく、とくに買いたい本がなくても本屋に行って時間を過ごしています。まずは新刊コーナーをざっとみて気になるものがないか探し、小説が好きなので文芸書や文庫のコーナーに向かいます。その後はビジネス書やインターネット関連の本、雑誌、趣味に関する本などを幅広くみてまわるのが常です。まわる順番はそのときの気分にまかせ、足が向いた方向に行くようにしています。「本屋を散歩」するようなイメージです。もともと気になっていた本があれば先にその本があるコーナーに向かいますが、最終的にはまったく目をつけていなかった本に興味が向くことも珍しくありません。

本屋にいると、棚をぼんやりみているだけでも多種多様な単語が目に入ってきます。それだけでも刺激になりますし、数多くの刺激があるなかで特定の分野や作品、言葉に興味がわいたなら、自分の興味の方向性がわかります。また本の帯に書かれたコメントやタイトルは文章のタイトル・見出しの付け方の参考になるため、コンテンツをつくるときにも役立ちます。

定期的に本屋に通うようにしていると、コーナーをまわる順番や手に取る本の傾向がパターン化してくることがあります。ときどきあまり行かないコーナーにも行ってみると意外な発見があってより面白いかもしれません。

世の中のトレンドや人々が興味を抱いているものを知る

人々の興味関心の対象を知ることは、視野を広げるためにも、コンテンツの需要を知るためにも役立ちます。多くの人に読んでもらえる文章や共感してもらえる文章を書くことを目標にする方にとっては、とくに欠かせない視点です。テレビやSNS、雑誌の情報はもちろんのこと、身近な人が興味を抱いているアイテムやカフェで隣のテーブルから聞こえてきた会話など、あらゆるものにアンテナを張ってみてください。流行に加えて人々が困っていることや戸惑いを感じていることも追うようにすると、情報の需要がみえてきます

Web上でどんな情報が検索されているかを調べたいときには、便利なツールを活用してみましょう。最新のトレンドを知りたいときには、GoogleトレンドやTwitterのトレンド情報などをみると急上昇ワードがわかります。特定のテーマや語句に限定して検索数を知りたいときには、Googleのキーワードプランナーが役に立ちます。人々が実際に知りたがっていることや悩みについて具体的に知りたいときには、Yahoo!知恵袋や発言小町といったQ&Aサイトをチェックしてみるのがおすすめです。さらに本格的にWebマーケティングに取り組みたい方は、ある単語と一緒に検索されている単語(=サジェスト)や関連が深い単語を調べるツールも活用してみてください。より詳細なニーズを探ることができるでしょう。

こうしたWebマーケティングツールを活用するにあたっては、注意事項がひとつあります。「ツールを利用して得た数字や単語にがんじがらめにならない」ということです。気を取られすぎて文章から個性が失われたり、文章全体の流れが不自然になったりするケースがときどきみられます。数字を追うことが第一の目的になってしまい、もともと文章を書くのが好きだったのに苦痛に感じるようになった、流れ作業のように淡々とこなすだけでつまらなく感じるようになった、という方も少なくありません。私自身もライター時代に同様の経験をしました。

もちろんWebマーケティングがしっかりできていることと良い文章であることは両立しうるものです。しかし総合的な文章力を鍛えたい方やファンができるような魅力的なコンテンツを長期的視点で作りたい方、執筆を心から楽しむことを大切にしたい方には、最初から数字にこだわることはおすすめしません。あくまでひとつの指標として上手に活用していきましょう。

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