「文章が書けない」6つの原因と対処法

文章の書き方

仕事で文章を書く機会が多い部署に配属になった人、起業家・フリーランスとして発信したいことがある人……。大人になってから、さまざまな理由で「文章を書けるようになりたい」と考える人は多いようです。

しかしいざ文章を書こうとしても、「文章が書けない」と悩んでストレスを抱えてしまう人は少なくありませんよね。文章が書けないときの原因と、原因別の対処法を紹介します。

「文章が書けない」原因を考える

「文章が書けない」といっても、つまずくポイントは人によって異なります。まずは「文章が書けない」という悩みをより具体的な言葉に言い換えてみましょう。文章を書くときにどこでどんなふうに困ってしまうのか、振り返ってみてください。たとえば以下のような悩みに細分化できそうですね。

  • 書くテーマが思い浮かばない
  • 内容を深く掘り下げられない
  • 書くのが遅くてなかなか仕上がらない
  • 途中で話が逸れてしまう・なにが言いたいのかわからなくなってしまう
  • いい表現が思い浮かばない
  • 日本語の使い方に自信がない

ここからは、文章が書けない場面や理由に応じた対処法を紹介していきます。

原因1:テーマが思い浮かばない→対処法:生活・人生のすべてをネタだと思う

「文章を書いたみたいけれど、どんなことを書けばいいのかわからない……」

文章のテーマ探しに困っている人は、あまり身構えずに日々の生活のなかで感じていることや興味のある分野のこと、趣味のこと、仕事をしていて学んだことなど、なんでも思いついたものをメモするところから始めてみてください。

必ずしも専門家のように知識が豊富でなくてはならないとか、突出して得意なことがなければならないなんてことはありません。小さなことでも文章のネタにはなります。

ちょっとした気づきや感動したこと、疑問に思ったこと、読んだ本や観た映画・テレビドラマの感想、だれかに言われてハッとした言葉、仕事中に知った便利ツールや気に入っている商品、美味しかった食べ物や好きなお店の紹介など、なんでも構いません。過去の経験を活かせることもあります。肩の力を抜いて考えてみてはいかがでしょうか?

関連記事:【何を書くか】どんな生活も人生も、ブログや日記、ノートに書くネタになる

原因2:深掘りできない→対処法:情報収集・整理をやり直す

書き始めたはいいものの、途中で言葉が続かなくなったり、一般論に終始してしまったり。内容を深掘りできずに困ってしまったときは、「そもそも書くことが見当たらない状態」です。

無理に言葉を絞り出そうとしてもなかなか上手くいかないので、いったん文章を書くのをやめて、テーマについて調べ直したり情報を整理したりする段階に戻ってみましょう。

関連する本や記事を読んで簡単なメモにまとめ直す、見聞きしたことを思い出して整理する、考えたこと・感じたことをもう一度書き出してみるなど、文章を書く前の準備をやり直します。どう表現するかを考える前に、「なにを書くか」をより鮮明に、具体的にして内容を充実させていくのです。

再度準備をしても深掘りできない場合は、テーマや視点そのものを変えたほうがよい可能性もあります。ひとつのテーマに固執しすぎず、書きやすそうなものから取り組んでいきましょう。

原因3:修正ばかりしていてなかなか進まない→対処法:最初から完璧に書こうとしない

ついつい細かいところが気になってしまい、執筆がなかなか進まないこともありますよね。丁寧で完璧主義な人ほど悩みがちなポイントかもしれません。

執筆中には細かいミスや表現の推敲には目を瞑り、とりあえず書き上げることに集中しましょう。書いた後にじっくり校正・推敲する時間をつくり、そこで修正していけば問題ありません。

集中力はそう長く続くものではありませんから、書けるときに一気に書いてしまうことをおすすめします。気持ちが乗っているときに自然に思い浮かんだ言葉を使うほうが、魅力的な表現に仕上がることも多いものです。最初から完璧を狙いすぎず、まずは素直な言葉を綴ってみてください。

原因4:途中で話が逸れてしまう→対処法:テーマと構成を練ってから書き始める

文章を書いている途中で一体なにを書いているのかわからなくなったり、話が逸れて収拾がつかなくなったりして、手が止まってしまうこともありますよね。

文章を書くときには、テーマとタイトル、構成をざっくりと決めてから書き始めることをおすすめします。たとえばこの記事も、執筆する前に下記のように目的や内容、構成を簡単に定めました。細かい部分まで決めなくても、方向性を決めるだけで一気に書きやすくなります。書き始める前のひと手間を大切にしてみてください。

伝える相手さまざまな理由で「文章が書けない」と悩んでいる人
伝える内容「文章が書けない」原因と、原因別の対処法
構成1.導入(概要文)
2.文章が書けない原因を挙げる
3.原因ごとに対処法を挙げる
・【原因】テーマが思い浮かばない→【対処法】生活・人生のすべてをネタだと思う
・【原因】深掘りできない→【対処法】情報収集・整理をやり直す
・【原因】修正ばかりしていてなかなか進まない→【対処法】最初から完璧に書こうとしない
・【原因】途中で話が逸れてしまう→【対処法】テーマと構成を練ってから書き始める
・【原因】いい表現が思い浮かばない→【対処法】辞書やツールを使う・時間を置く・本を読む
・【原因】日本語の使い方に自信がない→【対処法】文章の基礎を学ぶ

関連記事:【文章の構成】つくりかたのポイントと目的別パターン集

原因5:いい表現が思い浮かばない→対処法:辞書やツールを使う・時間を置く・本を読む

頭のなかでは伝えたいことがわかっていても、ちょうどよいニュアンスの言葉がみつからなくて悩むこともありますよね。似たような単語・表現ばかりに頼ってしまって変化がつけられず、どうしたらよいかと考えているうちに時間が経ってしまうことも。わたしもよくあります。

そんなときには、自分の頭のなかですべてを完結させようとせず、辞書やツールなどに頼ってしまいましょう。今はインターネット上の辞書やアプリも充実しています。ひとつ単語を入力するだけでたくさんの言い換え語がみつかるので、語彙を増やすためにも積極的に使ってみてください。また疲れているときにはよいアイデアが浮かびにくいので、表現に困ったら数時間あるいは数日時間を置き、いったん文章を寝かせてから再び向き合うのもおすすめです。

普段から地道に表現のバリエーションを増やしたいなら、やはり文章をたくさん読むことに尽きます。忙しくて数はこなせないという方でも、読んだ書籍や記事のなかで気に入った表現をメモしておくなど、ちょっと意識するだけで記憶に残り、あとあと役に立つことがあります。

原因6:日本語の使い方に自信がない→対処法:文章の基礎を学ぶ

テーマや書き方の問題以前に、そもそも日本語の使い方に自信がなく、技術的な面で「文章が書けない」と感じている人もいるのではないでしょうか。

技術がありさえすれば伝わる文章が書けるかというと、決してそんなことはありませんが、文章に苦手意識がある人や文章を書き慣れていない人はとくに、基礎を体系的に学んでおいて損はないと思います。

個人的によくおすすめしている本は、『新しい文章力の教室-苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング-できるビジネスシリーズ(インプレス)』です。文章を書く前の準備や基本的な文法、表現の工夫に関する内容がバランスよく収録されていて、初心者でも手に取りやすい本です。一定レベルの文章を書けるようになりたいなら、まずはこれ一冊をマスターすることを目標におくとよいでしょう。

新しい文章力の教室-苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング-できるビジネスシリーズ(インプレス)

より「文法」に特化したものを読みたい方には、『【新版】日本語の作文技術(朝日文庫)』がおすすめです。著者がもともと理系の方ということもあり、説明が論理的で、論文を書くときにも役立つ内容になっています。

【新版】日本語の作文技術(朝日文庫)

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